雨の日の思い出

 こんにちは。本田陽彦です。

 

 昨日から雨が降っています。しっとりしてます。

 

 そうそう、夏になる前でしたか。とある方とお茶を飲み、帰りに歩きながらお話していますと、雨が落ちてきました。その方は自転車、私は徒歩で折りたたみ傘を持っていました。

 それほど強い雨ではなかったですが、濡れて風邪をひいたらいけないと思い、「どうぞ、お先にお行き下さい」とその方に告げました。

 すると、「いえ、大丈夫です。たまには雨に濡れるのもいいじゃないですか」とおっしゃったんです。

 

 たまには雨に濡れるのもいいじゃないですか

 

 なんと素敵な方なんだろうと感じました。

 雨が降ったら傘をさすか、雨宿り。もしくは濡れないように小走りで帰る。私なんてこんなものです。

 それをね、たまには雨に濡れるのもいい、とおっしゃるんです。参りました・・・。

 

 その時に、私って貧しいなあ〜って思いましたね。そして、ああ、私って雨に濡れるのはよくないことだと思い込んでいたんだな〜って気がつきました。うまく言葉では言い表せないですけれども、その一言に心惹かれました。

 

 たまには雨に濡れるのもいいじゃないですか

 

 いい言葉です。その方は、なんということもなく、そのようにおっしゃったのでしょうが、どうも私が見ているのとは違う、遠く離れた景色を眺めていらっしゃるように感じられたのでした。

 

 ある雨の日の思い出です。

 

 健やかで、危険がなく、心安らかに、幸せであれかし!